こんにちは。
先日、書いた記事でも中国のハッカーについて触れました。
記事はこちら→政府各省のクラウド化やマイナンバーと一口座のリンク化、管理やセキュリティへの心配
「情報を盗む」イメージが強い中国ですが、この「情報」を盗んでアメリカで逮捕されたニュースがありました。
今回はこちらと、中国とオーストラリアの間にかなり大きな亀裂が入っているようなので、こちらに関しても記事をピックアップしていきたいと思います。
情報を盗む中国に米は留学生も制限へ。強い姿勢で対応している豪、日本も考える時なのでは
米ロサンゼルスで中国人科学者を逮捕、人民解放軍所属のスパイか
米ロサンゼルスで今週、米国を出国しようとしていたスパイとみられる中国人研究者が、ビザに関する不正の容疑で逮捕された。
サンフランシスコ連邦地検と連邦捜査局(FBI)が11日、共同で明らかにした。
両当局の発表によると、シン・ワン(Xin Wang)容疑者は今月7日、中国行きの航空便に搭乗しようとしていたところ、身柄を拘束された。
同容疑者は昨年3月、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)で科学研究に従事しようとする医学研究者になりすまし、米国に入国していた。
だが空港でワン容疑者は、米税関・国境警備局(CBP)の職員による取り調べを受け、 実際には中国人民解放軍(PLA)の将校であり、軍の大学研究室に雇われていたことを認めたという。
裁判所の文書によると容疑者は、UCSFにある研究室のレイアウトを観察し、中国で再現する方法についての情報を持ち帰るよう、中国の上官から指示を受けていたとCBP職員に明かした。
当局は、「ワン容疑者がPLAの同僚らと共有するため、UCSFの研究を手に入れて中国にある自身の研究室にメールで送信したとの情報を、CBPが入手した」と発表。
さらに、「容疑者は同様に、UCSFの指導教授に対し、同教授の研究の一部を中国の研究室で再現したと明かしていた」という。
同容疑者は、有罪となれば最大で禁錮10年、および罰金25万ドル(約2700万円)が科せられる。
その一方、中国は12日、男がスパイ行為に関与していたとの主張を否定。
外務省の華春瑩(Hua Chunying)報道局長は定例記者会見で、
「(米国は)ワン・シン氏がPLAの将校だと主張しているが……彼は循環器官の研究者であると理解しており、彼が米国の国家的な利益や安全保障を脅かしているとは考えていない」と話した。(AFP BB Newsより/2020.6.13)
以前から、研究者として諸外国で学んだことを持ち帰っているような話は合ったように思います。
容疑者は、UCSFの指導教授に対し、同教授の研究の一部を中国の研究室で再現したと明かしていたということで、すでに再現もしていたというのが、手際がかなり良い印象です。
ある意味、本物の情報泥棒ですね。
トランプ米大統領、一部中国人留学生の入国拒否命じる-安保上の懸念
トランプ米大統領は中国からの大学院生と研究者の受け入れに国家安全保障上のリスクがあるとして、その一部について一時渡航者としての米国入国を拒否するよう命じた。
ホワイトハウスは声明で、中国は「知的財産の従来とは異なる収集要員として活動」させる一部の大学院生と博士号を持つ研究員を用いていると指摘。
中国人民解放軍との関係が過去もしくは現在あり、大学院以上の課程か研究に従事している学生や研究者は、中国政府に「利用されたり取り込まれたりするリスクが高く」、懸念の原因だと説明した。
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は先に、人民解放軍と関連ある大学と直接的なつながりを持つ中国人の在米大学院留学生や研究者のビザ(査証)を取り消すことをトランプ政権が計画していると報じていた。(Bloombergより/2020.5.30)
アメリカだけでなくて日本も中国人の留学生は多いです。
そして、卒業後、大企業に入社することも有ります。
日本も子供の人数が少ないからと、留学生を誰でも迎え入れるのではなく、ある程度、絞って入学させた方がよいのではないでしょうか。
日本は、そのようなリスク管理に弱い印象があります。
そして、最近、緊迫しているのがオーストラリアと中国ですね。
中国の裁判所が、麻薬取引の罪に問われていたオーストラリア国籍の被告に対し、死刑判決を言い渡していたことがわかった。
問題を抱える両国関係が、この判決により緊迫の度をさらに増す可能性もある。
広州市中級人民法院(Guangzhou Intermediate People’s Court)のウェブサイト上に投稿された告知によると、豪メディアによってキャム・ガレスピー(Cam Gillespie)という名前の人物と特定された被告が10日、死刑判決を受けたという。
同サイト上では、豪国籍との情報以外は公表されていない。
中国の地元メディアによると、男は香港の北西に位置する広州白雲国際空港(Guangzhou Baiyun Airport)で2013年12月、預けた手荷物にメタンフェタミン7.5キロ超が入っていたとして逮捕された。
豪外務省はこの判決に「深く悲しんでいる」とのコメントを発表。
死刑制度に反対する同国の姿勢を強調した。
中国はオーストラリアにとって最大の貿易相手国であり、留学や観光などの分野においても大きな収入源となっている。
だが、豪政府は新型コロナウイルスの発生源に関する独立調査を要求。
中国政府は強烈に反発し、豪州産の大麦に追加関税を課したほか、アジア系の人々に対するウイルス関連の差別があるとして、観光客や留学生に警告を発するなどの措置を取った。(AFP BB Newsより/2020.6.13)
この緊迫した状況の今、こんなことをやるなんて、火に油を注いでいるのでしょうか。
このオーストラリア人は、中国人を殺したのではなく麻薬取引ですので、罰金刑にできなかったのか、考えさせられますね。
中国は、わざとオーストラリアを怒らせているようにも感じます。
そうなると、オーストラリアも黙ってないですね。
豪、中国との対立激化 日本やインドと連携
オーストラリアと中国の対立が激化している。
豪州は4月、新型コロナウイルスの発生源調査を世界に呼び掛けた。
すると、中国は猛反発。
豪産農産物輸入で「制裁措置」に踏み切り、豪州行きを避けるよう国民に求めた。
こうした揺さぶりに豪州は不快感を示し、コロナ後の国際情勢をにらみ日本やインドなど「価値観を共有する国」との連携を強めている。
新型コロナに絡むアジア人への差別が豪州には存在すると中国は主張している。
モリソン豪首相は12日の記者会見で「多文化主義や宗教の自由、全ての人を平等に扱ってきたことに関して、喜んで記録を世界中に示す」と強く反論した。
中国は、豪州が中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)に次世代通信規格「5G」市場の参入を禁止したことなど、過去数年の対中政策に不満を募らせてきた。
調査要求を契機に、豪州の工場で検査・検疫に関する違反があったとして食肉の輸入を一部停止し、不当に安い価格で輸入されたとする豪産大麦には関税を大幅に引き上げた。
豪経済は、コロナで大打撃を受けた。
中国の一連の措置は、弱った豪経済に中国の重みを思い知らせる狙いがあるとみられている。
豪州に来る留学生や旅行者は、コロナ前は国別で中国が首位だった。
豪州の対外貿易でも中国は全体の3割弱を占める。
最大の貿易相手国だ。
豪州は、歴史的なつながりの深い太平洋諸国で、中国が影響力を強めようとしていると警戒する。
これをけん制しようと、4日にはインドとの間で戦略的関係の格上げを発表。
「自由で開かれたインド太平洋」構想を掲げる日本とは近く、自衛隊と豪軍の相互訪問時の法的地位などを規定した「円滑化協定」で合意する見通しだ。
こうした動きは、中国包囲網として今年の先進7カ国首脳会議(G7サミット)に豪印両国を招く米政権の戦略と一致する。クイーンズランド大学のスティーブン・ベル教授は豪州の取り組みについて「中国への高い依存を引き下げて、リスクを分散化しようとする動きだ」と分析している。(JIJI.comより/2020.6.14)
日本でも、オーストラリア位に、迅速にわかりやすい外交をしてもよいのではないでしょうか。
アメリカの顔も伺って、中国の顔も伺って・・・では、最終的には外れくじばかり引いてしまうことになりかねません。
YesもNoもしっかり主張してほしいですね。
インドも中国と小競り合いをしていますので、中国に対して困っている国で、少しまとまって意見を発してほしいと感じます。
言ってダメなら経済制裁等になるのでしょうけど、まずは堂々とNoを言って欲しいです。
尖閣諸島、沖縄、北海道、日本も狙われています。
今、強い外交をしないとどうなるのかわかりません。
最後までお読みいただきありがとうございました。